カミキリムシの大好物って何?肉食?草食?

小学生時代、昆虫採集で捕まえたカミキリムシが何を食べるのかなんて気にも留めなかった。ただ、子供心に肉食系なんだろうな、とは思ってた。だってさ、あの大きくて頑丈そうなアゴの牙、凄いじゃないですか!?他の昆虫を捕まえてムシャムシャと食べちゃいそう。口だけだったらカマキリよりも獰猛そうですよね。

なので、絶対にベジタリアンではないと昔から考えていただけに、木の皮をかじって食べると知った時には驚いた。(少しだけ)衝撃だった。正直、軽くビックリした。だって、あの強靭そうなアゴで食べるのが生きた若い枝の樹皮だなんて・・・。あ、葉も食べるらしいね。

成虫のカミキリムシは若くて生の(生きた)木の皮を噛じって食べる

庭にあるシークワーサー、マンゴー、パッションフルーツなどの木はゴマダラカミキリの成虫に被害に遭った。根本にボッコボコに穴を空けられて養分が行き渡らなくなって身も成らなくなり腐って倒れた。両親は(特に母親?)は怒りに打ち震えていた。

『マンゴーなんてスーパーで買ったらいくらすると思ってるのぉ!』と声にならない悔しさを捕獲して捕殺したゴマダラカミキリの死骸に呟いていた。その死体には蟻(アリ)が群がっていた。

まだ数本残っていたのはミカンとシークワーサーの木。定期的にチェックして根本部分の幹に穴を開けるカミキリムシがいないか探しだすようになった。しかし、根本部分にはなかなか、見つからない。で、上を向くと、いたんです。

枝が緑色で若くて柔らかそうな箇所に留まり、頭を上下に振って大アゴで皮を噛じりとっているゴマダラカミキリ。耳を澄ますと、『コリコリコリ、カリカリ』と皮を剥ぐ音が聞こえる。私はそ~っと手を伸ばし、背中とお腹部分を素手で捕まえた。

『へぇ~、こんな頑丈そうな口なのに、木の皮を食べる草食なんだ』とちょっぴり驚きました。しかも、若い木の皮しか食べないなんて、案外グルメなんですね(笑)。って感心してる場合じゃない!

幼虫も成虫も樹木を食べる草食性カミキリムシの好物は柑橘系?

図書館で借りた昆虫図鑑によると、マダラカミキリムシは日本全国に分布していて、主にスギ・ヤナギ・クワを食べるそうだ。が私が発見した時は果樹を食害する場面が多い。ミカン、シークワーサー、パッションフルーツ、マンゴーなど。

オスとメスが交尾を終えたカミキリムシは、木の幹に大アゴで傷を付けて卵を産み付ける(産卵)。羽化した幼虫は中の柔らかい幹を食い進み空洞化させながら成長していく。これが倒木・枯れ木の原因になるのですね。

幼虫は蛹(さなぎ)になり成虫の形へ姿を変化させ羽化します。羽化した時期が冬の場合、その状態で木の中で冬が明け春になるのを待つこともあるそうです。なので、幹の中で幼虫と成虫のカミキリムシが同居(!?)することもあるのだとか。

羽化して成虫の状態で木の中に篭(こも)っている際、食べ物は木の幹(なま木)を食べるのかは不明。私の考え(個人的)では、何も食べずに春を待つとみています。というのも、成虫を捕まえて虫かごに入れ、何も餌(えさ)を与えずに3日も放置すると息絶えたからです。

木の中で羽化して冬を過ごす間、カミキリムシは飢餓を乗り越える術(すべ)を持っているんだろうと思います。

※[追記]昆虫図鑑の虫の飼い方に、カミキリムシ(成虫)の餌はティッシュをハチミツ(蜂蜜)で湿らせると飲むとありました。

カミキリムシを見付け捕まえる方法は「キーキー、コリコリ」!?

カミキリムシの幼虫が羽化して木から外界へ旅立つ時期、雑木林で耳を澄ますと木を噛じる音が聴こえるそうです。これは普段、カミキリムシの成虫を探す時にも使える方法です。成虫が好んで食む樹木の下で耳を澄ますと、木を噛じる音が聴こえるんです。

ちなみに、捕まえると鳴き声を発するという噂は有名ですが、実は背中の箇所で発している警告音なのだとか。よく観察すると羽の付け根部分を擦り合わせているようにも見えますね。

※[追記]カミキリムシは若すぎたり年老いた樹木には産卵しないのだとか。また、幼虫も生木(なま木)を好んで食べる。カブトムシやクワガタの幼虫は朽ち木や腐葉土を食べるのに、カミキリムシって美食家!?グルメ!?なんですね・・・。

※[追記]カミキリムシの幼虫は樹木の幹の中で2回も冬を越し、まる2年以上も木の中で過ごすそうです。(※シロスジカミキリの場合)また、暖かい地方では1度、寒い地方では3度も冬を越すなど、種類や生息環境で違いがあるようです。

人間側(大人ね)からすると果樹などではなく雑草を食べてくれると害虫ではなく益虫としてヒーローになるのになぁ・・・。

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